新人看護師の質問方法

私が新人看護師の頃、質問をするのが苦手だったことを覚えている。


アルバイトの経験はあったけれど、

質問の仕方だったり、タイミングだったり、学校では教わらないそういう部分でつまづいたのだった。


先輩看護師の気持ちや負担に気をつかっているつもりではあるが、実際は自分に精一杯でさっぱりわからなかった。


最初のうちは、学生時代の病院実習の延長のようなものだったけれど、


学生時代の頃と比べると、質問の量も膨大だし、わからないことがわからない時も多かったなと思う。




働いて、年数が経ってくると、


先輩看護師の方も、新人看護師の気持ちや負担よりも自分の負担を優先しがちだと思った。


それは、ほとんどの場合「忙しくて余裕がないから」であると思う。



ただ、それだけではなく、「自分の指導や管理不足で新人がミスしたら、自分が責任を問われる」という部分もある。


悲しいかな、自分が新人の頃の気持ちや心持ちを覚えていて、汲み取ってくれる先輩看護師はヒジョーに少ない。


歳をとればとるほど、その傾向は高い。






新人看護師は、なにかをしようとするときに、


「○○をやってもいいですか?」

「○○は××ですか?」



などイエスかノーで答える質問をすることか多いと思う。



それに対して、先輩看護師は、


「アナタはどう思うの?」
「どうしてやろうと思ったの?」
「忙しいのに、丸投げしないでよ!」


と思うのである。




自分の考えを話さないと、

何も考えないで、ただ知りたいから聞く人という印象も受ける。



「私は○○をこう思いますが、先輩はどう思いますか?」


と聞く新人看護師は本当に少ない。



自分の意見を伝えてみると、それが誤っているか、合っているか、よりよい気づきを先輩看護師は教えてくれるだろう。



新人看護師としては、単純に許可やゴーサインがほしいのが本音なのだけれど


質問の仕方が、相手に与える印象を変える。


というのも、
先輩看護師は責任の所在が大事であることを経験上痛いほど感じている。


だから、普段、医師の指示がおかしくないかわざわざ確認するし、薬剤師や栄養士など職種を越えて口出しする。


この“確認”が本当に大事で、

確認を怠ったがために起こるヒューマンエラーは現場ではかなり多い。


すんなり医療事故につながるから、本当に本当にコワイ。



看護師は医者よりも目立たないけれど、実際は医者よりも患者さんと向き合う時間が多い。


だからこそ、確認や判断を怠って、誤った方法で患者さんに害を与えると、責任を問われやすい。


処罰されなくても、本人や家族の納得がいかないと訴訟に発展することも、少なくないのだ。




新人看護師は、たまに先輩看護師が気づかないことに気づくことがある。


だから、自信をもって先輩看護師に確認したらいいと思うし、先輩もそのために存在すると思っていい。


誰だって新人だったし、たくさん質問して確認することが、自分の身を守ることにつながる。


これはかなり大事なこと。





これに加えて、

看護師の仕事は、時間管理がカナメ。

無駄な時間を嫌う看護師は多い。



だから、質問をするときは相手の都合も見つつ、空気も感じつつ、簡潔に伝える。



そうしないと、

「なにが言いたいの!」

「あとにして!」

と相手をイライラさせてしまうから。笑




業務だけでなく、その場の空気を読んだり、仕事仲間とのコミュニケーション能力も問われるから、正直しんどい時もある。


普段は何気なく、考えず仕事をしているけれど、本当に、よくよく考えてみると、看護師って大変だなぁと思う。



でも、職場に慣れてくれば大丈夫!
気軽に質問できるようになるからね。



忙しさに負けず、大事なことをしっかりと確認できる看護師でいたいですね。



(了)